身延線で巡る富士山旅(富士宮・身延)

1泊2日
この記事は約12分で読めます。

富士山信仰の総本山・富士山本宮浅間大社
富士山の眺望が美しい身延山久遠寺
JR身延線で巡る、富士山を満喫する旅に出かけました。

📝基本情報

場所・アクセス

◆場所:富士宮市(静岡県)、身延町(山梨県)

◆アクセス

富士宮身延(約40〜50分)〜下部温泉(約10分)は、いずれもJR身延線1本で移動可能

・東京方面からは2つの代表ルートがあり、
 行きと帰りで別ルートを通ることで、富士山を異なる方面から楽しめる。
 富士山「北側」ルート:新宿→甲府→身延方面
 富士山「南側」ルート:東京→熱海・三島→富士宮方面

見どころ

  • 富士山本宮浅間大社:富士山信仰の中心となった格式ある神社。境内に湧く透明度の高い湧玉池と、富士山を背景にした社殿のコントラストが美しい。
  • 静岡県富士山世界遺産センター:逆さ富士の外観が象徴的。屋外テラスからの富士山は絶好の撮影スポット。映像や展示の演出に工夫があり、感覚的に楽しめる。
  • 久遠寺:日蓮宗の総本山。287段の石段を上った先に、荘厳な伽藍が立ち並ぶ。
  • 身延山:ロープウェイで山頂に上がれ、南アルプスや富士山を一望できる。山全体に寺院や堂塔が点在し、ハイキングをしながら拝観できる。

📌各観光スポットの情報はこちら

📷️旅の記録(1泊2日・11月中旬)

旅のスケジュール

【1日目】
🚄9:03 東京→9:45 三島(東海道新幹線ひかり)
🚃9:51 三島→10:16 富士(JR東海道本線)
🚃10:22 富士→10:40 富士宮(JR身延線)
🚶徒歩15分
11:00 昼食(たこまん長屋門)
🚶徒歩3分
12:00 富士山本宮浅間大社(滞在1時間)
🚶徒歩4分
13:00 休憩(酒と和カフェやまびこ)
🚶徒歩8分
14:00 静岡県富士山世界遺産センター(滞在2時間)
🚶徒歩10分
16:26 富士宮→ 17:18 下部温泉(身延線特急)
🚶徒歩5分
宿泊:湯宿 梅ぞ乃

【2日目】
🚃8:46 下部温泉→8:58 身延(JR身延線)
🚌9:08 身延駅→9:20 身延山(山梨交通バス)
9:20 身延山・久遠寺(滞在3時間)
12:30 ランチ(喫茶室 園林【CAFE Onrin】)
🚌13:05 身延山→13:17 身延駅(山梨交通バス)
🚃13:32 身延→14:26 富士(JR身延線特急)
🚃14:41 富士→15:18 三島(JR東海道本線)
🚄15:24 三島→16:18 東京(東海道新幹線こだま)

1日目:富士宮

東京駅から新幹線で三島へ。
そこから、東海道本線、身延線へと乗り継いで行きます。
だんだん姿が大きくなって行く富士山にワクワクしながら富士宮駅へ到着。
富士山信仰の中心的存在である富士山本宮浅間大社へ向かいます。

富士山本宮浅間大社(滞在1時間)

「二之鳥居」
駐車場に大きくそびえ立つ鳥居。
朱色が青空に映えます。

富士山を背景にそびえ立つ二之鳥居

本殿に向かう参道は、前日が七五三の日だったせいか、小さなお子さんを連れた参拝客でにぎわっています。
屋台も出ていて、正月のようだなと思いながら進んで行くと、大きな赤い門(楼門)が見えてきました。

「鉾立石(ほこたていし)」
楼門の前に、大きな石が置かれています。
明治初年まで行われていた神事の際に使用されていた石で、神具の鉾をこの石の上に置いたとのことです。

鉾立石

「楼門(ろうもん)」
朱塗りをベースに金・エメラルドグリーンが散りばめられた色鮮やかな門です。
神域の結界として参拝者を迎える「結界の門」としての役割があるそう。

朱塗りの楼門

楼門をくぐると、拝殿、本殿が建ち並ぶ中心部になります。
拝殿前に参拝のための行列ができています。

拝殿に参拝のため並ぶ人々の様子

「拝殿」

拝殿を間近で撮ったもの。

「本殿」
拝殿の奥にある本殿。
正面からは屋根の部分しか見えませんが、拝殿の横に回ると本殿の細部がよく見えます。
御祭神は木花咲耶姫命(コノハナサクヤヒメノミコト)
絶世の美女として古事記に登場する有名な神様です。

拝殿の裏の本殿の様子

ここで気になったのが屋根の千木。
御祭神は女神なのに、なぜ千木の形は男神を表す外削ぎ(先端が地面に対して垂直)なんだろう?
調べてみると、千木の形は神様の性別を必ず表すものではなく、神社の系統や建築様式などによる場合も多いそうです。

本殿の屋根の千木のアップ写真

「湧玉池(わくたまいけ)」
飲めるのでは?と思ってしまうくらい透明度の高い水。
富士山の雪解け水が伏流水となり湧き出した池で、国の特別天然記念物に指定されています。
昔は登山者がここで禊をしてから富士山に登ったそう。

湧玉池を泳ぐ鴨たち

鮮やかな緑色の水草がキラキラと輝いています。

湧玉池の水草がきらきら光っている様子

鴨が一生懸命餌を捕るためにお尻をあげて潜る様子がかわいい。

浅間大社には、複数の末社が点在します。

「厳島神社」
湧玉池にかかる2本の橋の間の小島に鎮座する神社。
水と芸能の女神である市杵嶋姫命を祀っています。

厳島神社の鳥居と狛犬

どういう事情があるかわかりませんが、思いっきり踏みつけられています・・・。

「稲荷神社」
商売繁盛の神々を祀った神社。

稲荷神社

「天神社」
学問の神様、菅原道真を祀った神社

天神社

「水屋神社」
人が多かったため、さっと見ただけで写真を撮っていないのですが、
富士山伏流水の信仰と結びつく神社です。
水おみくじをひいたり、湧き水をいただくことができます。
富士山信仰を水の面から感じられる神社ですので、ぜひ立ち寄ってほしい神社。
私も人が混んでいないタイミングでゆっくり行けたらよかったなと思います。

休憩:酒と和カフェやまびこ

静岡と言えばお茶でしょう!ということで緑茶が飲めるカフェに立ち寄りました。

やまびこカフェの外観

煎茶飲み比べセット。
一番茶、二番茶、冷茶など3種類の淹れ方で楽しめます。
どれも美味しく、特に冷茶が美味しかったです。
お茶好きの両親が絶賛して、購入先をお店の方に聞いていたので、
本当に美味しいのだと思います。

煎茶飲み比べセット
一番茶とお菓子

🔗「酒と和カフェやまびこ」Instagram公式アカウント

店を出て富士山世界遺産センターに向かいます。
10分程歩くと、大きな鳥居と個性的な建物が見えてきます。

一之鳥居と富士山世界遺産センターの建物

「一之鳥居」
浅間大社の一番初めの鳥居。
本殿から随分離れているように思えます。

一之鳥居の役割は、「ここから先が神様の領域ですよ、気持ち切り替えてね」と示す起点。
鳥居から本殿までの距離が長い神社ほど、格式が高く、信仰圏が広いそうです。
街全体が信仰の空間だったのですね。

富士山を背景にしてそびえ立つ一之鳥居

静岡県富士山世界遺産センター(滞在2時間)

富士山を逆さにしたような、おしゃれな建物が世界遺産センターです。

一之鳥居ごしの静岡県富士山世界遺産センター

建物に入ると、自然な流れで螺旋を描いたスロープに誘導されます。
スロープの壁に富士山の映像が映され、登山をしている気分。
たまに登山をしている人々の動く影が投影される演出があるのですが、帽子にリュックという山スタイルだった私は、その投影の中に紛れ込んでしまいました。

富士山登山の映像に映り込んだ人の影

スロープを5階まで登り切ると、
展示ホールがあり、そこから屋外テラスに出ることができます。

ここからの眺めは最高!!
富士山とふもとの富士宮の町並みが一望できます。

屋上テラスからの富士山の景色

富士山の眺めを堪能した後、また螺旋スロープを下ります。
下りは各フロアに寄れるようになっており、
フロアごとにそれぞれのテーマで富士山を切り取った展示がされています。
映像や音声で感覚的にわかりやすく伝わる工夫がされているので、飽きずに楽しめました。

夕焼けに染まった富士山

予定より1時間以上オーバーして(それでも見きれなかった)、世界遺産センターを出たのは夕方。
富士山が夕焼けに染まって赤富士となっています。
宿の夕食の時間にぎりぎり間に合う電車に乗って、下部温泉へと向かいました。

宿泊:下部温泉 湯宿 梅ぞ乃
下部温泉郷 湯宿 梅ぞ乃(公式サイト)
料理少なめプランにしましたが、食べきれないくらいの量。
量も質も大満足の内容でした。
手頃な価格で宿泊でき、サービスも丁寧でよかったのでおすすめです。

2日目:身延

下部温泉駅は木造平屋建ての可愛らしい駅です。
無人駅で自動改札機も券売機もありません。(急行が停まるのに!)

下部温泉駅

電車は乗車時に整理券を取り、下車後に身延駅で現金精算となります。
整理券を取るのをお忘れなく!

身延駅前から路線バスに乗り、10分程で身延山に到着します。

身延山久遠寺(滞在3時間)

身延山駐車場に身延山のマップがあります。
山全体に久遠寺を始めとした日蓮宗の寺院が広がっています。

身延山ガイドマップの看板

食事処や土産物屋が立ち並ぶ参道を登っていくと、久遠寺の入口、三門が見えてきます。

三門〜菩提梯〜五重塔

「三門」
とても立派な門。
派手さはありませんが、重厚感があり静かな迫力があります。

身延山久遠寺の入口である三門

紅葉で真っ赤に染まった木

「菩提梯(ぼだいてい)」
眼の前にそびえ立つ壁のような高低差104メートル、287段の石段
噂では聞いていましたが、実際見ると引き返しそうになります。

菩提梯。久遠寺へと続く石段。
菩提梯の説明看板
下から見上げた菩提梯

手すりをにぎりしめ、たまに振り返った時の高度感におののきながら登ります。
「一段登るごとに煩悩を断ち切り悟りに近づく」とされていますが、確かに安全のため全力集中、煩悩してる場合じゃありません。

「五重塔」

石段を登りきり、緊張感から開放され少し休憩。
見上げた空に五重塔が映えます。
日本国内4番目の高さとのこと。

青空の中そびえ立つ五重塔

何か訓練をしているようです。
平日にきたせいか日常の様子が垣間見れました。

境内で訓練をしている様子

あれ?犬もあの石段登ってきたの?
と思いましたが、どうやらここまで車でも来れるそう。
たしかに今どきあの階段でしか来れないとかないよね・・・。
楽してるなーと思いつつ、かわいいから許します。

とりあえず寺院はスルーして、天気が良いうちにロープウェイで山頂に向かいます。

身延山ロープウェイ乗り場に続く道
山頂・東側展望台〜南側展望台

「東側展望台」
7分ほどで山頂(奥之院駅)へ到着。
山頂には3箇所展望台があります。
ロープウェイをおりてすぐのところにあるのが東側展望台です。

東側展望台から眺めた富士山

「南側展望台」

南側展望台から眺めた富士山

南北に流れる富士川が見えます。

南側展望台から眺めた富士川と身延町の様子
奥之院思親閣(おくのいんししんかく)

奥之院へと続く階段の両脇には、日蓮聖人が700年前に植えたとされる杉が4本あります。
思親閣は聖人が両親と師を想って建立した霊場。
杉の名前からも想いが伝わってきます。

奥之院思親閣の仁王門へと続く石段
日蓮聖人の御手植え杉についての説明看板

「御母 妙蓮尊尼」杉

御母 妙蓮尊尼杉

「仁王門」

仁王門

「祖師堂」

奥之院思親閣の祖師堂

「釈迦像」

奥之院思親閣の釈迦像

「北側展望台」
北側に見えるのは南アルプスの山々です。

北側展望台から眺めた南アルプスの山々

帰りは奥之院参道を歩いて下ろうか迷いましたが、
熊の出没情報があるので(2025年11月時点)ロープウェイで戻りました。

熊出没注意の貼り紙
本堂・祖師堂・大鐘

「本堂」
中に入るとその広さに驚きます。
天井には大きな龍が描かれており、八方睨みの龍といわれ、どこに立っても目が合います。
平日ということもあり人がほとんどいなく、龍の視線を独り占めしているようでした。

久遠寺の本堂。堂々とした佇まい。

「祖師堂」
朱色よりやや深みのある赤をベースに、色鮮やかな彫刻が施された祖師堂。
隣りに建つ漆黒の本堂との対比が綺麗です。

本堂の隣に建つ祖師堂
本堂と祖師堂
祖師堂入口付近から眺めた景色

建物内部は本堂・祖師堂・拝殿・仏殿・大客殿まで回廊でつながり、広い範囲で見学可能です。
他のお寺と比べてとても開放的な印象を受けました。

男坂

菩提梯を下る勇気がなく、帰りは男坂で戻ることにしました。
ただ、この男坂が下り始めが急で、滑りやすく足元が危なかったです。
足腰に自信のない方は女坂の方が緩やかでいいかもしれません。

三門と紅葉に染まった木々

再び身延線に乗って帰路へ

門内町のカフェでランチをし、
ぎりぎりで身延駅行きのバスに間に合いました。
身延駅から来た時と同じ静岡県ルートで帰ります。

長い年月の中で何度も噴火を繰り返し、
その度に少しずつ形を変えてきた富士山。

富士山の形の美しさは永遠ではないのかもしれない。
そう思うと、余計にこの見ている瞬間が尊く感じられます。

青空に恵まれた良い旅でした!

身延線の車内から眺めた午後の富士山

📌観光スポット情報・リンク集

富士宮

富士山本宮浅間大社(ふじさんほんぐうせんげんたいしゃ)

📌特徴・見どころ

  • 全国約1300社の浅間神社の総本宮で、富士山信仰の中心となる格式高い神社。
  • 徳川家康が寄進した本殿・拝殿(重要文化財)は一見の価値あり。
  • 境内には富士山の伏流水が湧き出た透明度の高い湧玉池(特別天然記念物)が広がる。
  • 春はが美しく、約500本以上が咲き誇る写真映えスポットとして人気

🔗関連サイト(公式サイト・マップ)
富士山本宮浅間大社(公式サイト)
富士山本宮浅間大社パンフレット(PDF):境内マップ

🔗おすすめ動画

▶️【富士山本宮浅間大社】(約8分)
 神様・ご利益・見どころ・富士山信仰や登山ルートまでわかりやすくまとまっています
 (神社Vtuberコルウスの自習室チャンネルより)

📌所要時間
約1時間

📌住所・アクセス・駐車場情報
以下公式サイトをご確認ください。
🔗交通案内

📌受付時間・料金
以下公式サイトをご確認ください。
🔗参拝・祈祷のご案内

静岡県富士山世界遺産センター

📌特徴・見どころ

  • 逆さ富士をイメージした独創的でおしゃれな建物。
  • 富士登山を模擬体験できる映像・ジオラマを展示。
  • 遮るものがない屋外テラスからの富士山は絶好の撮影スポット。

🔗関連サイト(公式サイト・マップ)
静岡県富士山世界遺産センター(公式サイト)

📌所要時間
約1〜2時間

📌住所・アクセス・駐車場情報
以下公式サイトをご確認ください。
🔗アクセス・駐車場

📌営業時間・料金
以下公式サイトをご確認ください。
🔗開館時間・休館日・料金

身延

身延山・久遠寺

📌特徴・見どころ

  • 日蓮宗の総本山。日蓮聖人ゆかりの地である由緒ある寺院。
  • 287段の石段を登った先に、五重塔を始めとした重厚な伽藍が立ち並ぶ様子は圧巻。
  • 樹齢400年を超える2本のしだれ桜の巨木が人気。
  • 山上(奥之院)へはロープウェイでアクセス可能。3つの展望台からの富士山や南アルプスの眺望が良い。

🔗関連サイト(公式サイト・マップ)
みのぶ観光案内:身延町の観光公式サイト。宿泊情報含め旅の全体計画におすすめ。
久遠寺(公式サイト):寺院参拝など、寺院メインの情報
奥之院思親閣(久遠寺公式サイト内):境内案内
身延山ロープウェイ(公式サイト):利用料金・山頂へのアクセス情報など
各種パンレットダウンロードページ:久遠寺境内マップ、ハイキングコースマップなど

📌所要時間
1.5〜2時間(本堂参拝+境内散策。ロープウェイ利用で山頂まで行く場合は+30〜45分)

📌住所・アクセス
以下公式サイトをご確認ください。
🔗交通案内

📌受付時間・料金
・境内:終日参拝可能
・各堂宇・御朱印・宝物殿などは時間制限あり
※詳細は以下公式サイトをご確認ください。
🔗勤行・窓口受付時間
🔗祈祷・開帳料金など
🔗営業時間(ロープウェイ)
🔗利用料金(ロープウェイ)

📌その他
西谷せいしん駐車場から、斜行エレベーターやロープウェイ利用によって、
体力に不安のある方や足の不自由な方でも参拝、山頂までのアクセス可能です。

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