夜行列車「サンライズ出雲」に乗って、島根へ。
神々の足跡が残る出雲、風情あふれる水の都・松江、日本庭園の名所「足立美術館」がある安来、そして名湯・玉造温泉など見どころたっぷり。バリエーションに富んだ、日本の魅力をぎゅっと詰め込んだ旅でした。
👉本記事は後編です。
4〜5日目(松江散策・玉造温泉)の旅の記録・観光情報をご紹介します。
前編(1〜3日目/サンライズ出雲・安来・出雲)はこちら▶島根旅(前編:安来・出雲)
📷️旅の記録(後編)4泊5日・5月
4日目 松江散策
8:30
ホテルから松江城に向かいます。(徒歩30分)
島根県庁(三ノ丸跡)を左手に見ながら大手前から城内へ入ります。

松江城(滞在:90分)
🔗松江城敷地内マップ(公式サイト)
9:00
大手門跡を過ぎた先では、ナンジャモンジャ(正式名称:ヒトツバタゴ)が見頃を迎えていました。
戦前に朝鮮半島から持ち帰られたもので、日本ではとても珍しく、国の天然記念物に指定されています。


天守へと続く本坂を登っていくと、石垣を近くで見ることができます。
松江城は「野面積み(のづらつみ)」「打ち込み接ぎ(うちこみはぎ)」という2つの石積み手法がとられています。
ここで偶然撮った石垣の写真の中に、ハート型の石がありました。さて、どこにあるでしょう。

また、石垣には刻印があるものがあります。
刻印は築城に関わった大名の家臣や石工達が担当した石の場所を示すもの。
この看板がある辺りに多いらしいです。行かれる際はぜひ探してみてください。

「松江城天守」
天守が見えてきました。
木造5階建て(地下1階を含む)。
全国に12しかない現存天守であり、さらに国宝指定されたものは5つのみ。
そのうちの1つがこの松江城です。
天守の高さは約30メートル。天守台と呼ばれる石垣部分だけでも高さが約7メートルです。
迫力があるのはもちろんのこと、屋根や窓周りに施された装飾が美しく、渋さの中に優雅さを感じます。


天守の中に入ると、そこは地階です。
古い「鯱鉾」が飾られていて、実際の大きさを体感できます。
高さは大きい雄の方で2.08メートル。日本現存の木造の鯱鉾の中では日本一の大きさです。

床梁にも刻印が。





姫路城のような心柱ではなく、2階分の短い通し柱を配置して荷重を分散して天守を支える構造。



最上階の5階に到着。
360℃見渡すことができる開放的な空間。
宍道湖が見えます。

国宝指定書の写しが展示されています。(本物は松江歴史館に収蔵)

天守をあとにして、水の手門跡から潮見縄手に向かいます。
小泉八雲旧居・記念館 (滞在:1時間)
10:45
塩見縄手沿いにある小泉八雲旧居と記念館に到着。
小泉八雲はアイルランド出身の作家で、「怪談」などの作品で知られています。

八雲が愛したといわれる旧居の庭。
とてもきれいに手入れされています。
縁側で庭をみてると心がすっとし、そのままずっと座っていたくなります。

ぐるっと松江 堀川めぐり(所要:1時間)
12:00
遊覧船の乗り場は3ヶ所ありますが、今回はふれあい広場乗船場から出発します。
松江城を囲む約3.7キロメートルを約50分かけて巡る遊覧コースです。
🔗堀川めぐりマップ(公式サイト)

船を先頭側から見た様子。
船頭さんが操船しながら松江のまちを案内してくださいます。
それでは出発!

このコースでは17の橋の下を通ります。
まずは1番初めの「新橋」。
一周して戻ってきた遊覧船とすれ違いました。

「亀田橋」


橋の名前の由来か?と思うほどに亀がいました。多すぎでしょ・・・。

「花園橋」
遊覧コースでは3つのエリアを進んで行きます。
スタートからこのあたりまでは、緑ゆたかな「自然地区」です。

「うべや橋」です。
橋の位置が低い!
このままでは屋根が橋にぶつかる!!
・・・と思いきや大丈夫。この船、屋根が可動式で下がるんです。
乗客も合わせて姿勢をかがめます。
先程までのどかな川の流れに揺られてうとうとしそうでしたが、
ちょっとしたアトラクション気分で覚醒しました。
うべや橋は船の屋根を下げないと通れない4つの橋のうちの1つです。


うべや橋をくぐり抜けて左に曲がると、近代化された街並みが見られる「市街地区」です。
少し進んで行くと、レトロな建物が特徴的なカラコロ工房が見えてきました。

近代的な雰囲気のエリアの中でも、昔の生活の名残を見ることができます。
江戸時代から明治時代、川で洗濯をしていた頃に使われていた、家から直接川へと降りられる階段です。

石垣や武家屋敷などの昔の風景を残した「歴史地区」に入りました。
少し落ち着いた雰囲気に変わります。

小泉八雲の怪談に出てくる幽霊が描かれた銅板。

松江城や石垣を眺めることができます。


昔の雰囲気を残した風情のある景色に遊覧船がなじみますね。



ゆったりとした時間の中に、お楽しみポイントがちりばめられた堀川めぐり。
歩きまわって疲れた時の小休憩にもおすすめです!
ランチ:神代そば
14:00
乗船場から徒歩5分、「神代そば」で再び出雲そばをいただきました。
十割そばが評判の人気店です。
店内は落ち着いた雰囲気で、とても美味しかったです。
食べログ松江そば人気ランキングで1位だそうです(2025年8月現在)
🔗手打 神代そば(食べログ)


塩見縄手
14:40
塩見縄手をぶらぶら歩きます。
「塩見縄手」は松江城北側のお掘り沿い約500メートルの通り名で、江戸時代の武家屋敷が立ち並んでいます。



喫茶きはる
15:00
15分程で喫茶きはるに着きました。
松江歴史館内にあるカフェで、入場無料のエリアにあります。
広々とした空間で日本庭園を眺めながら抹茶と和菓子を楽しむことができます。




名工・伊丹二夫さんによる実演。
熟練の手さばきに思わず見入ってしまいました。
松江は京都・金沢と並ぶ「三大和菓子処」の一つとされています。見た目の美しさや味のバランスにこだわりがあり、「季節感」「ほどよい甘さ」を大切にして作られているのが特徴だそう。
並べられた和菓子、できることなら全種類食べてみたい・・・。
※写真は2022年5月に撮影したものです。伊丹さんは2025年2月にご勇退されています。

少し松江市内をぶらぶらして、松江駅から一畑バスで玉造温泉に向かいます。
玉造温泉(宿泊:佳翠苑皆美)
17:30
姫神広場バス停から徒歩1分。
佳翠苑皆美(かすいえんみなみ)に到着。
お庭がとても綺麗です。



夕食の様子。(一部です)。
どのお品もとっても美味しかったです。
品数が多く食べきれるか心配でしたが、ペロっと食べてしまいました。





自分としてはちょっとお値段高めの宿だったのですが、旅の最終日はゆっくりと溫泉に浸かってリッチな気分を味わいたかったので大満足でした!
宿泊:佳翠苑皆美
🔗公式サイト:https://www.kasuien-minami.jp/
5日目 玉造温泉〜帰路
駅までの送迎バスの出発時間まで、玉造温泉周辺の散策に出かけます。
玉作湯神社(たまつくりゆじんじゃ)(滞在:15分)
駅とは反対方向に玉湯川沿いを10分程歩いた温泉街の奥に、「玉作湯神社」があります。
歴史ある神社で、温泉の神様や勾玉の神様を祀っています。
時間がなくてじっくり参拝できなかったのですが、とても雰囲気のいい神社でした。
「願い石」や「叶い石」を使った祈願方法などがあり、特に女性に人気のパワースポットとして知られています。
参拝される際はゆっくり時間をかけて巡ることをおすすめします。



今回、温泉街をあまり散策できませんでしたが、歴史のある神社仏閣や足湯や美肌スポット、おしゃれな雑貨屋やカフェなど楽しそうなスポットがたさくさん。一日かけてじっくり味わう価値のあるところだと感じました。
玉造温泉駅から帰路につきます。



帰路 玉造温泉→松江→岡山→東京 (約6時間)
10時半頃、玉造温泉をあとにして、JR山陰本線で松江へ(約8分)。
松江駅周辺にて、ランチ&散歩。
13時過ぎの「やくも18号」に乗り岡山へ(約2時間半)。
さらに新幹線「のぞみ36号」に乗り継ぎ、東京には夜の19時過ぎに到着(約3時間半)。
4泊5日の島根旅は幕を閉じました。
👉前半の記事はこちらです▶島根旅(前編:安来・出雲)
📌観光スポット情報・リンク集(後編)
今回の旅の後半で立ち寄った主な観光スポットの情報をまとめて掲載しています。
松江
松江城
🔗「松江城」公式サイト:https://www.matsue-castle.jp/
・所要時間:1〜1.5時間
・アクセス
松江駅から一畑バス(八雲線)で7〜10分(徒歩27分)
松江しんじ湖温泉駅から一畑バス(玉造線)で5分(徒歩16分)
小泉八雲旧居・記念館
🔗「小泉八雲旧屋・記念館」公式サイト:https://www.hearn-museum-matsue.jp/
・所要時間:30分〜60分
・アクセス
松江駅からレイクラインバスで16分(徒歩38分)
松江しんじ湖温泉駅から徒歩20分
ぐるっと松江堀川めぐり(堀川遊覧船)
🔗「堀川めぐり」公式サイト:https://www.matsue-horikawameguri.jp/
・所要時間:遊覧コース(約50分)
・乗船場所:ふれあい広場、大手前広場
玉造温泉
🔗玉造温泉公式サイト:https://tamayado.com/
旅の振り返り・次回のポイント
今回の旅で、「こうするともっと楽しめそう」と感じたポイントをまとめました。
- 出雲
観光スポットを広く回ったため、それぞれをじっくり楽しむ時間が足りませんでした。出西窯の代わりに、出雲の歴史博物館に行く、または日御碕神社でゆっくり過ごす、といった選択肢を検討するとより充実しそうです。 - 玉造温泉
帰りの新幹線の時間を気にして早めに松江に戻りましたが、温泉街でのんびり散策する時間を増やすと、旅の余韻をさらに楽しめそうです。
広く浅くになってしまいましたが、初めての島根(というか山陰初めて)、楽しかったです!島根の多彩な魅力を存分に味わいながら走り抜けた旅でした。関東からは遠くて中々簡単には行けませんが、また訪れる機会があれば、もっとひとつひとつのスポットを時間をかけてじっくり楽しみたいです。