北アルプスを横断する、世界有数の山岳観光ルート。
電気バス・ケーブルカー・ロープウェイなど6種類の乗り物を乗り継ぎながら、黒部ダム・立山連峰をめぐります。歴史的建造物と雄大な自然が織りなす、非日常的な絶景の連続です。
基本情報
◆ルート概要
長野県大町市(扇沢駅)〜富山県立山町(立山駅)
全長約37km
・扇沢駅:長野県側の出発点
↓関電トンネル電気バス
・黒部ダム:日本最大級のアーチ式ダム
↓黒部ケーブルカー
・黒部平:ロープウェイ乗換地点
↓立山ロープウェイ
・大観峰:雲上の展望台
↓立山トンネル電気バス
・室堂:立山観光の中心地。
↓高原バス
・弥陀ヶ原:貴重な高原湿原
↓高原バス
・美女平:ブナや立山杉の原生林
↓立山ケーブルカー
・立山駅:富山側の出発点
◆アクセス
長野側:JR信濃大町駅→扇沢駅(バス)
富山側:富山駅→立山駅(電鉄)
どちらからもアクセス可(片道利用もOK)
アルペンルート内(扇沢駅〜立山駅)は公共交通機関のみで切符の購入が必要
※立山黒部アルペンルート公式サイトにて事前予約可能→こちら
◆所要時間
日帰り〜2泊3日まで、旅のスタイルに応じて調整可能
・日帰り(6〜7時間。主な観光スポットだけ回りたい!)
・1泊2日(朝日、夕日、星空を眺めたい!)
・2泊3日(登山もしたい!)
◆おすすめ時期
・4〜6月:雪の大谷(室堂)
・7〜8月:高山植物、登山(雄山・立山)
・9〜10月:紅葉(エリア別にピーク時期が異なり長く楽しめる)
◆参考サイト
・立山黒部アルペンルート公式サイト
日数や旅のスタイルに合わせたモデルコースが多数紹介されているので、旅のプランの参考に。
・パンプレットダウンロード(公式サイトより)
各スポットの散策マップがダウンロードできます。
各スポットの紹介
①黒部ダム・黒部湖
◎自然と人工物の対比が圧巻。ダム建設の背景を知るとより楽しめる!
・標高1,470m
・日本最大級のアーチ式ダムで、高さ186mを誇る
・1956年に建設が始まり、約7年の歳月をかけて1963年に完成
・「世紀の難工事」と呼ばれた壮絶なプロジェクトで、映画「黒部の太陽」にも描かれている。
・参考サイト→黒部ダムオフィシャルサイト
②黒部平
・標高1,828m。アルペンルートの中間地点に位置する絶景スポット
・眼の前には立山連峰、振り返ると黒部湖と黒部ダム
・パノラマテラス、レストラン、売店、高山植物園がある
・黒部ダムより混んでいないので、絶景を眺めながらちょっと休憩したい場合に最適
③大観峰(だいかんぼう)
・標高2,316m
・剱岳や立山連峰を見下ろすよう一望でき、黒部平とはまた一味違ったスリルある絶景が広がる
④室堂(むろどう)
・標高2,450m
・立山黒部アルペンルートの中心拠点であり、立山連峰を間近に望む大パノラマが広がる
・4月中旬〜6月中旬に、高さが20mの雪の壁「雪の大谷」が見られ、まさにここにしかない景色
・各種ハイキングコースが充実しており、みくりが池散策のような1時間程のコースから本格的な登山まで各自の体力や天候、日程に合わせて選べる
・室堂見どころマップダウンロード(立山黒部アルペンルート公式サイトより)
⑤雄山(おやま)
◎日本じゃないみたい!体力に自信のない人は室堂ターミナル⇔一ノ越山荘までの往復でも楽しめる
・標高3003m
・立山連峰の主峰の一つで、富士山、白山と並ぶ日本三霊山として信仰を集める。山頂には雄山神社峰本社があり、祈祷してもらうことも可能
・特別天然記念物のライチョウに出会える可能性も。
・所要時間:3時間50分 室堂ターミナル〜一ノ越山荘〜雄山神社峰本社
・歩行距離:約4.9km
・高低差:約553m
・ベストシーズン:7月中旬〜9月中旬
・3000m級の山だが、室堂ターミナルを起点とすれば、初心者でも挑戦しやすいコース。
※登山装備必須。一ノ越山荘から山頂にかけては岩場が多い急登なので注意が必要。
・雄山ハイキングルート情報(山と高原地図より)
⑥弥陀ヶ原(みだがはら)
・標高1,600m〜2,000mに広がる火山活動により形成された高原湿原。
・ラムサール条約に登録されており、国際的に保全価値が高い貴重な場所を木道を歩きながら気軽に散策可能
・立山カルデラが見られる展望スポットもあり
・トレッキング初心者向けのハイキングコースが多く、富山県認定の自然解説員に無料で案内してもらえるツアーに参加することも可能
・参考:
弥陀ヶ原、大日平散策マップダウンロード(立山黒部アルペンルート公式サイトより)
弥陀ヶ原散策コース情報(立山荘のサイトより)
⑦美女平(びじょだいら)
・標高約977m。樹齢300年以上のブナ林や立山杉の原生林が広がる
・バードウォッチングの名所として知られ、60種類以上の野鳥を観察できる
・美女平駅前には「美女杉」と呼ばれる伝説の巨木があり、恋愛成就のパワースポットとして人気
・森林浴や散策コースが充実。
・美女平散策マップダウンロード(立山黒部アルペンルート公式サイトより)
⑧称名滝(しょうみょうだき)
・落差日本位置の大瀑布!(落差350m)
・立山駅から称名滝探勝バスにて15分
・バスの本数が少ないのでプランニングの際に注意
・称名滝探勝バス時刻表
・称名滝散策マップダウンロード(立山黒部アルペンルート公式サイトより)
宿泊情報
みくりが池温泉 (室堂)
標高2,410m。日本一高所にある天然温泉(源泉かけ流し100%)。
山小屋のような雰囲気だが、清潔感のあるきれいな温泉宿。
朝夕の食事も充実。喫茶みくりも併設しており、手作りのチーズケーキやコーヒーが美味しい。
公式サイト→https://www.mikuri.com/
国民宿舎 天望立山荘 (弥陀ヶ原)
アルペンルートではリーズナブルな宿泊施設。
清潔感があり、食事も美味しい。
自然散策スポットへのアクセスが良く、イベントなども開催しており、自然を満喫したいアクティブ方におすすめです。
公式サイト→https://www.tateyama-so.jp/
旅の記録(2泊3日・8月中旬)
1日目
10:30 長野駅東口
↓アルピコ交通特急バス(長野-大町・扇沢線)
12:15 扇沢着
立山黒部アルペンルート、スタート!
今回は現地で切符を購入しましたが、WEBで切符を事前購入することもできます。
オプションとして信濃大町→扇沢区間のバスの乗車券も合わせて購入可能です。

関東トンネル電気バスで黒部ダムへ(乗車時間:16分)
①黒部ダム・黒部湖 (滞在時間:50分)
12:46
ダム展望台から眺めた景色です。
黒部ダム駅から地中階段を220段登ります。結構大変ですがそこから見た景色は圧巻!
山奥にたたずむ現役の巨大建造物を目の前にして、当時の人々の情熱とエネルギーを感じます。

ダム展望台から外階段を降りて新展望広場へ。
大迫力の放水を間近で見れます。
晴れた日は水しぶきに虹がかかることも。

↓徒歩15分
黒部湖に移動し、ケーブルカーに乗ります。
このあたりから少し空気がひんやりしてきます。


黒部ケーブルカーで黒部平へ(乗車時間:5分)
②黒部平 (滞在時間:60分 昼休憩含む)
13:45
ややガスっていました。
昼休憩後に高山植物園を軽く散歩しましたが、クマが最近近くで出没したようで、注意喚起の張り紙がありました。

立山ロープウェイで大観峰へ(乗車時間:7分)
③大観峰 (滞在時間:25分)
14:47
天気が悪くて、絶景が目の前にあるはずなのにほぼ何も見えず(泣)
トロリーバス(2024年11月30日に終了し、現在は電気バス)で室堂へ(乗車時間:10分)
④室堂 (宿泊)
15:25
室堂駅に着いたらバケツをひっくり返したようなどしゃぶりです。
少し駅で待ちましたが、雨の勢いは弱まらず。
レインウェアを着て、さらに傘をさして宿泊するみくりが池温泉まで歩きます(徒歩15分)
みくりが池の散策に出かける予定でしたが、宿のカフェでまったりすることにしました。
冷えた身体にチーズケーキの甘さとコーヒーの温かさが染み渡る。

宿泊:みくりが池温泉
2日目
5:50
まだ雲は多いですが、綺麗な青空と虹が見えます。

6:50 朝食後に宿を出発
室堂散策スタート!
◆みくりが池
空が水面に映って綺麗。

⑤雄山 (滞在時間:4時間)
7:10
雄山へのハイキングルートへ合流
一ノ越山荘までの道のりはゆるやかな石畳が続いており、スニーカーでも歩けそうです。
青空の下の開放感がたまらん。スキップしたくなりそうなのを自制。

ライチョウ!?


8:00
一ノ越山荘に到着。
いよいよ本格的な登山開始です。※登山装備必須

安全のため登りと下りでルートが分けられています。さすが人気のコース。

20分程登って振り返ると、眼下に先程通り過ぎた一ノ越山荘が。
高度感がすごい。
バランスを崩さないよう両手両足フル活用して登ります。※手袋個人的に推奨


9:00
ようやく頂上付近に到着。
ここからさらに神社まで登ります。


山頂到着!
神社には神主さんもいらっしゃって、祈祷していただきました。
最後に参加者全員で万歳三唱を大きな声で唱えて(叫んで?)締めます。
厳かな雰囲気ではありません(笑)


神に祈りが届いたのか、天気が良くなってきました。下ります。


10:30
一ノ越山荘着。少し休憩して、預けていた荷物を取りに宿に戻ります。





11:30
みくりが池温泉に到着。お疲れ様でした。
天気も良いし、これはもう食べるしかないでしょう。

2日目は弥陀ヶ原に宿をとっているので、移動します。
立山高原バスで弥陀ヶ原へ(乗車時間:15分)
⑥弥陀ヶ原 (宿泊)
13:15
立山荘で無料の自然散策ツアーの情報を入手。
急遽外回りコース(約2.1km・2時間)ツアーに参加することに。

約3000個の池塘(ガキの田)と呼ばれる水たまりが点在





宿泊:国民宿舎 天望立山荘
3日目
朝食前に立山カルデラ展望台へ。
立山荘の裏から登ること20分程度。(往復40分)


下りはやや滑りやすかったので注意してください。
8:00 立山荘を出発。
高原バス、ケーブルカーを乗り継いで立山駅へ。(約60分)
立山駅から称名滝探勝バス(乗車時間15分)に乗ります。
⑧称名滝 (滞在時間:75分)
9:45
称名平駐車場から称名滝へ向けて歩きます(約30分)
滝見台園地へ到着。
落差350m。東京タワーよりも高い。
称名滝の右側には水量の多い時にだけ見られる「ハンノキ滝」。その名残だけが岩肌に見られます。


お昼頃バスで立山駅に戻り、帰りの高速バスの出発(13:30発)までのんびりしました。