奈良|歴史ときどき初夏の風③

山の辺の道の狭井神社 3泊4日
この記事は約7分で読めます。

日本最古の道といわれる山の辺の道。
石上神宮から大神神社まで、自然と信仰が息づく古道を巡ります。

📷旅の記録(山の辺の道(南コース))

山の辺の道コースマップ

山の辺の道は全長約16kmありますが、
今回は暑さのため、全区間を歩くのではなく、
見どころの多い区間を2日間に分けて巡りました。

1日目:天理駅〜柳本駅(約7.5km)
2日目:巻向駅〜三輪駅(約4km)

山の辺の道前半・後半のルートと主な立ち寄りスポットを示したマップ山の辺の道(南コース)コースマップ

※今回歩いたルートやスポットの位置は、Google My Mapsでも確認できます。

▶︎ Google My Mapsで見る

山の辺の道(前半・天理駅→柳本駅)

天理駅スタート

駅前から天理本通り商店街へ。
奈良で一番長い商店街です。
日曜の午前8時、開店しているお店はほとんどなく、人通りはまばらです。

天理駅前にある天理本通商店街の入口

天理教の施設らしき建物を時折見かけます。
自転車に乗った学生たちが、列をなして礼儀正しく挨拶をしながら走っていきました。

天理教の施設へ続く並木道

分岐点や迷いそうなところに道標があるので、
道迷いの心配をせず歩けます。

石上神宮方面を示す山の辺の道の案内標識

石上神宮

スタートから30分ほどで、石上神宮に到着。
木立に囲まれた神社の敷地に入ると、急に周りの空気がひんやりとします。

木々に囲まれた石上神宮の鳥居

境内には鶏が放し飼いにされています。
神の使いとして大切にされているとのこと。
公式サイトの境内マップにも「ニワトリ」と記載されているのが面白い。

石上神宮の境内を歩く放し飼いの鶏

すました様子で歩いている姿を撮っていた、次の瞬間。
神の使いキック!

【拝殿】

石上神宮の拝殿

【天神社/七座社】

石上神宮境内にある天神社と七座社

夜なると、身を守るために木々に飛び上がって過ごす鶏もいるそうです。
一方で、飛び上がれない鶏のため、鶏舎も設置されています。

石上神宮の鶏舎周辺を歩く鶏

鶏は人間を恐れることもなく、自由に歩き回っています。
その様子が奈良公園の鹿のようだと思いました。

木の根元を歩く石上神宮の鶏

内山永久寺跡

石上神宮から続く森を抜けて10分ほど歩くと、松尾芭蕉句碑があります。
かつてここに存在した内山永久寺に、芭蕉が参拝した際に満開の桜を見て詠んだものです。
今でも春には池を囲むように桜が咲き、桜の名所として親しまれているようです。

内山永久寺跡に建つ歌碑

内山永久寺は「西の日光」と呼ばれるほどの大寺院だったそう。
明治維新の廃仏毀釈で全てが失われ、今は池のみが残っています。

内山永久寺跡に残る池
花菖蒲と池越しに見る内山永久寺跡

道脇の高台にちょっとした休憩所がありました。

山の辺の道沿いにある休憩所

かつての境内の様子が描かれた絵図がありました。

このあたりは柿の木などの果樹園があり、明るくのどかな風景が広がっています。
でも歴史が違えば、寺院が立ち並ぶ風景だった可能性もあったのだなと思いました。

内山永久寺の往時の境内を描いた復元図

山の辺の道はすべてが舗装されているわけではありません。
山道っぽいところもあります。

木々に囲まれた山の辺の道

石畳の激坂といわれる急な坂道も。
雨だったら滑りそうだなと思いました。

山の辺の道沿いに広がる田園風景

夜都岐神社(やとぎじんじゃ)

現在では珍しい茅葺き屋根の拝殿。
奈良公園にある春日大社と同じご祭神を祀っています。

茅葺屋根の夜都伎神社拝殿

屋根の厚みがすごい。

夜都伎神社の厚みのある茅葺屋根
夜都伎神社の狛犬

拝殿の左手からのぞくと、本殿を見ることができます。

拝殿左手から見た石上神宮の本殿

境内は心地の良い空間で、
道中で会った同じく山の辺の道を歩いていた方々が何人か休憩していました。

夜都岐神社の鳥居

夜都岐神社から歩き始めてすぐに目に飛び込んできた真っ赤な花。
後で調べてみたところ、ブラシノキというそうです。
少し前から抜きつ抜かれつ歩いていた外国の方が熱心に写真を撮っていました。

山の辺の道沿に沿いに咲くブラシノキ

集落を抜けていきます。

山の辺の道には古墳や小さな神社が多く点在しています。

山の辺の道周辺の古墳や神社を示す案内図

【西山塚古墳】

池越しに見る西山塚古墳

【五社神社】

鳥居の奥に建つ五社神社

念仏寺

山の辺の道では、目的として寺社を訪れるというより、歩く流れでいつのまにか境内に入っていることがあります。

気づくとお墓に囲まれていました。
念仏寺の敷地に入ったようです。

墓地越しに見る念仏寺
長岳寺方面を示す山の辺の道の案内標識

【万葉歌碑(柿本人麻呂)】

柿本人麻呂の歌を刻んだ万葉歌碑

途中土砂崩れなのか道が通れなくなっていましたが、
きちんと迂回路が示されています。

山の辺の道の迂回路を示す案内板

長岳寺(ちょうがくじ)

山の辺の道南コースの中間地点にある長岳寺。

長岳寺の山門の前に縄が張られています。
後で調べたところ、「勧請縄(かんじょうなわ)」と呼ばれるもので、
結界の意味があるそう。

勧請縄が張られた長岳寺の山門

門をくぐって少し進むと、
両脇に背の高いつつじが植えられた道が続きます。
すでに見頃を過ぎて、ほとんど花が咲いていませんでしたが、
満開の頃の華やかな景色を見てみたいなと思いました。

【本堂】
阿弥陀三尊や極楽地獄図を拝観できます。
ひんやりとした空間に体がほっとします。
しばらくただぼーっと眺めていました。

木々に囲まれた長岳寺の本堂

【大師堂】
本堂からさらに階段を登ると、お寺を建てたと言われる弘法大師を祀るお堂がありました。

長岳寺境内にある大師堂

花のお寺と呼ばれる長岳寺。
季節ごとに様々な花を楽しめますが、
今回は花の見頃の時期にはあたらなかたようです。

少し見頃を過ぎたかきつばた。

長岳寺のかきつばた

白いカラーだけが生き生きと咲いていました。

長岳寺で咲く白いカラー

当初はゴールの大神神社まで1日かけて一気に歩く予定でしたが、
お昼近くになり、いよいよ暑さが増してきたので、
一旦山の辺の道散策は終了し、柳本駅に向かいます。

その時の状況で柔軟に予定を変更できるのがこのコースのいいところですね。

山の辺の道(後半・巻向駅→三輪駅)

巻向駅スタート

旅の3日目の朝。
小さな無人駅である巻向駅から、山の辺の道後半スタートです。

JR巻向駅の駅舎

檜原神社へ向けて、畑に囲まれたのどかな景色の中を歩いていきます。

山の辺の道沿いに広がる畑と里山の風景
池の向こうに三輪山が見える風景
果樹園とビニールハウス越しに奈良盆地を望む風景

檜原神社(ひばらじんじゃ)

30分ほどで檜原神社に到着。
一見鳥居のようですが、横木(笠木と島木)がありません。
「注連柱(しめばしら)」と呼ばれる鳥居とは別の結界を表す形式だそう。

檜原神社入口の注連柱

平日の朝のためか、ほとんど人がおらず、少しだけ緊張感のある神聖な空気が漂っています。
山自体が御神体のため、本殿はありません。
三ツ鳥居も全国でめずらしい形式です。

檜原神社の三ツ鳥居

檜原神社をあとにして、森を抜けていきます。

ふと足をとめて見上げると、新緑の葉っぱが木漏れ日の中で揺れていました。

木漏れ日に照らされた新緑の葉

無人販売所が設置されていました。

野菜の無人販売所

階段を登って狭井神社へ。

狭井神社へ続く石段

狭井神社(さいじんじゃ)

檜原神社より30分ほどで狭井神社に到着。
思っていたより境内は広々としています。

狭井神社の鳥居

【市杵島姫神社(いちきしまひめじんじゃ)】
境内の池のほとりにたたずむ可愛らしい神社。
鮮やかな朱色の祠が印象的でした。

池のほとりに建つ市杵島姫神社
市杵島姫神社前の池

階段をのぼると檜原神社で見たのと同じ注連柱があり、その先に拝殿が見えます。

注連柱越しに見る狭井神社の拝殿

拝殿の向かって右側には、三輪山への登拝口がありました。
御神体そのものとされる三輪山へ登れるとは意外でした。
かつては厳格な禁足地でしたが、現在はルールを守れば登拝として入山が許可されるようです。
今回は登拝することができませんでしたが、もう一度訪れた際はぜひ登拝したいと思います。

三輪山登拝口の入口

拝殿の左側から奥に進むと、万病に効くといわれる三輪山の霊水が湧き出る「薬井戸」があります。

ボタンを押して紙コップをとり、蛇口をひねると霊水が出る。
霊験あらたかな御霊水を日常的な景色の中で体験できるのがちょっと面白い。

大神神社(おおみわじんじゃ)

狭井神社を過ぎると、道の様子がガラッと変わります。
きれいに整備された参道が続き、まるで同じ境内を歩いているよう。
山の辺の道もいよいよ終盤です。

【御拝殿】
三輪信仰の中心地である大神神社。
もっと古くて質素な感じかと思っていましたが、予想以上に立派な拝殿です。

大神神社では、大物主大神が宿る三輪山そのものをご神体として信仰しています。
拝殿のすぐ後ろに山があるのかと思っていましたが、実際は木々に囲まれていて、境内から山らしき姿はよくわかりませんでした。

【巳の神杉】
ご祭神である大物主大神(おおものぬしのおおかみ)の化身とされる白蛇が棲む木だそうです。

鳥居に到着。
歩き始めから約2時間。
本格的に暑くなる前にゴールできてよかった。

大神神社の大鳥居

2日間合わせて約5時間半、13キロの道のりでした。
奈良の景色を楽しみながら歩いていると、途中で次々と神社やお寺などのスポットが現れて飽きることがなかったです。
次回は季節を変えて、全ルートを通して歩きたいと思いました。

📌観光スポット情報・リンク集

山の辺の道

山の辺の道(南コース・天理駅 ↔︎ 三輪駅)

📌特徴・見どころ

  • 日本最古の道といわれる古道
  • 石上神宮〜大神神社を結ぶハイキングコース
  • 古墳や神社仏閣が点在
  • のどかな里山風景
  • 標高差は少なく、歩く区間を調整しやすいので初心者でも歩きやすい。

💡ひとことメモ

とにかく、この道が好きです。神社の神聖な空気とのどかな里山の風景を同時に楽しめるのが魅力。また、道案内やトイレも整備されており、気持ちよく安心して歩けます。

鉄道路線に沿ってハイキングコースが続くため、体力や時間に合わせて途中で切り上げることも可能。ルートの自由度が高く、初心者にもおすすめです。スニーカーでも歩けますが、クッション性のあるものやローカットのトレッキングシューズがあるとより快適です。

注意点としては、神社やお寺以外の区間は木陰の少ない場所も多いため、暑い時期は熱中症対策を忘れずに。

📌関連サイト(公式サイト・マップ)

📌モデルコース(距離)
・天理駅 → 石上神宮 → 長岳寺 → 柳本駅 約7.5km
・柳本駅 → 長岳寺 → 大神神社 → 三輪駅 約6.5km
※途中の柳本駅・巻向駅から歩き始めることも可能
※逆スタートも可能

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